BrandLand JAPAN

  • Special Interview
  • Feb 28th, 2019

アジア最大級の美容見本市
「コスモプロフ・アジア」にみる

化粧品市場の動向

日本の化粧品等美容ビジネスが好調です。インバウンド客による爆買い消費だけでなく、アジアを中心に輸出も好調で、日本企業の海外市場開拓機運もますます高まっています。今回は、アジア最大の美容関連見本市「コスモプロフ・アジア(香港)」を主催するUBMジャパンのクリストファー・イブ代表取締役に、内閣府政策参与(クールジャパン戦略担当)であり、BlandLand JAPANの浜野京シニアプロデューサーが、化粧品ビジネスの動向についてお話を伺います。

過去最大規模を更新~存在感を示すK-Beauty、
健闘する日本勢~

浜野2018年11月14日から開催された香港のコスモプロフ・アジアに伺いました。昨年にも増して出展者も来場者も、とにかく人で溢れ、大盛況でしたね。

イブおかげさまで23回目を迎え、ますます拡大を続けております。「1つの展示会を2つの会場で」をコンセプトに、開催空港近くのアジアワールドエキスポ会場のコスモパック・アジアと、香港島湾仔のコンベンション・センターのコスモプロフ・アジアの2つの展示会を連携させ、アジアの美容業関係者の最高の出会いの場づくりにつとめました。コスモパック・アジアは化粧品原材料、機械、包装品などサプライチェーンが対象、コスモプロフ・アジアは化粧品・美容の完成品が対象です。会期を1日ずらして両方にご来場いただけるようにし、来場者は世界135の国々・地域から87,284名、前年に比べ4.2%増加し、出展者も53国・地域から3,030社、前年比5.3%増えました。
浜野さんがジェトロの部長時代に「日本の化粧品中小企業が中国やアジアでもっと稼げる時代が来る」と予測されて、コスモプロフ・アジアにジェトロ運営のジャパン・ビューティ・ショウケースを開設してくださったのは、もう10年近く前ですね。初めて輸出にチャレンジする中小企業にとっては心強い支援です。2018年はこれら20社と、先行して独自にブース出展している企業の合計124の日本企業が出展しました。前年比28%増です。

浜野美容関係者がすべて集う展示会ということですね。昨年夏、日本ではインバウンド客の爆買いに猛暑の影響もあって、化粧品の中身だけでなく、容器の生産も間に合わなくなって化粧品の供給が間に合わない、「欠品」騒ぎがありました。日本のメーカーにとって容器や包装材の仕入れ先の多様化も課題となっているので、この点からも興味深いです。総じて、日本勢が増えているというのは嬉しいかぎりです。海外の消費者に売るには、現地ののニーズをくみ取り、ビジネス慣習を理解すること、それには日本で座して待つのではなく、海外で場数を踏むことが重要で、ブース開設のご相談に伺ったんですね。今まさにブーム到来の感があります。中国勢も増えてきましたが、以前にもまして韓国勢の多さが目につきましたが、、、

イブその通りです。出展者は76%がアジア、17%が欧州でしたが、韓国からは600社を超えました。個社参加も多いけれど、貿易振興機関KOTRAや市、業界団体、組合など、14もの団体がブースを構え、売り込んでいるのが特徴です。日本は基礎化粧品が中心ですが、韓国勢はコスメ全般、トイレタリー、ヘア、ネイル等のアクセサリー製品など、多彩な提案で、「K-Beauty」の存在感を示しました。

浜野業界、組合、自治体等、国を挙げて支援しているわけですね。韓国の国内市場は日本より小さく、モノづくりの最初から海外も念頭に置いた輸出志向が強いので、プライシングも最初から国際ビジネスを想定したものになっているし、プロモーションも然りで、見習うところは多いと思います。ポテンシャルのある美容分野でぐっとアクセルを踏んでいるということですね。

マーケティングやビジネス交渉の
スピードが日本企業の課題

イブ日本も健闘してはいるのです。香港の輸入相手国を見れば、韓国が1位、2位はフランスでしたが、遂に日本がフランスを抜いて2位に浮上しました。ジェトロの調査によると、購入理由のトップは「品質、安心感」、一方で「広告、宣伝が韓国、欧米に比べて劣る」という評価をもらっています。 浜野多くの分野で同じような評価です。「モノづくりは得意だが、売るのが下手」と自覚している企業も多い。そこを改善したいと思っている企業も多いのです。

イブもっと工夫が必要です。「いいものだから売れるはず」ではなく、技術力やものづくりへの想いを語り、「誰に、どこで、どう売るか」を描きながら、実践を積み、改善していくことが重要です。マーケティングの課題と共に、ビジネス交渉でのスピードが遅い点も改善する必要があります。コスモプロフには海外展開に一日の長がある韓国や欧米のブースもたくさん出ているので、よそのいいところも見てどんどん取り込み、改善しながら継続出展して成果につなげていただきたいと思います。

浜野日本製品の良さを伝えるために、会期中にはセミナーも開催されていますね。

イブ昨年に続き、経済産業省・日本化粧品工業連合会の協力のもと「Japan Beauty Weekセミナー」を実施、話題のポーラのリンクルショットについて、また弊社媒体のダイエット&ビューティ企画のセミナーでは口コミサイトやそれをもとに国内外で店舗展開する@コスメ等にご登壇いただきましたが、いずれも満席で、日本の化粧品への関心の高さがうかがえます。こういう機会も上手く活用してネットワーキングしていただきたいです。

関心呼ぶ中国のEC市場、米・豪では
ナチュラル・オーガニックのトレンドの予兆か

浜野日本だけでなく他にも様々なセミナーがあり、国際的なトレンドを知るのに役立つと思います。話題になったテーマは、どういうものでしたか?

イブ特に注目を浴びたのは、中国市場についてですね。e-コマースの発達や市場の様々な可能性を紹介したセミナーです。タオバオ、Tモール、京東、アマゾン等ネットビジネスの広がりは目覚ましいものがあります。ネットの口コミサイトの影響力は目覚ましく、使ってみてどうだったかを書き込むのは当たり前になっているので、より生活者の視点、接点がビジネスに反映されるようになってきています。自分のお気に入りのインフルエンサーが評価したものを買いたいという消費行動は強くなっているわけで、中国だけでなくアジア全体に、ワールドワイドな傾向です。そういうチャンネルを活用したビジネス戦略をたてて、早く市場にチャレンジしていく、というのが成果を出す一つの解となっています。
また、世界的なトレンドとして、アメリカやオーストラリアを中心に、ナチュラル&オーガニックのトレンドの予兆も見えています。実際、展示会場でもそのエリアは拡大しています。しかし、日本ではまだ一部食品の紹介がある程度で、残念ながら存在感はありません。日本では、日本製品は元々オーガニックも多いと思われている方もおられるのですが、オーガニックをうたうにはエビデンスが必要で、日本の方にはそういう国際標準を意識したモノづくりにも期待しています。

浜野国際標準、重要な要素ですね。それと連動して、各国ごとに化粧品もレグレーションが違って、日本人が安全だといっても通用しない、通関できないものもありますから、そういう専門知識をもつということも化粧品ビジネスでは重要なことですね。
価格が高くて供給力が少ない場合にはどう売っていくか、また、もっと大きなビジネスにするには展示会等でネットワークをどう広げていくか、企業それぞれが、自分の目指すゴールをどう描いて、チャレンジし、改善をかさねていくか、展示会を活用する様々な示唆に富んだお話をいただき、ありがとうございました。