BrandLand JAPAN

  • Project Report
  • Oct 22nd, 2018

日本刀ツアーの魅力を切り取る。
怒涛の撮影敢行

僕の段取りが悪いからだと思うのだが、ロケ撮影はいつも忙しくなるものである。お盆に撮影視察を終えた僕たちは、翌々週に迫る撮影のスケジューリングに頭を抱えていた。今回制作するのはツアーの宣伝するための映像、パンフレット、ポスター。旅のメインである刀職人は当然として、それ以外の魅力をどこまで撮影するか。板取川の美しい渓流、悠然たる犬山城、鰻から立ち上る香ばしい湯気など、一度見たらどれもお届けしたいものばかりなのだ。僕たちの溢れる撮欲により、4日間で18箇所というはち切れそうなスケジュール表が完成した。

豊かな文化の周りには豊かな自然がある

8月末、男たちははち切れそうな車に揺られていた。写真家・刑部信人、映像カメラマン・堤賢悟、音楽家・三宅亮太、ディレクター・中村佑人、プロジェクトマネージャーの柳瀬武彦、そしてたくさんの機材。東京から約5時間半、岐阜県北部を流れる鮎釣りの名所・板取川に到着した。鮎料理で英気を養った僕らは、絵画のようなモネの池から撮影を始めた。澄み切った川浦渓谷、ジブリ映画に出てきそうな株杉など、その自然の神秘と迫力は海外の方にも喜んでもらえるに違いない。関エリアの自然の魅力をたくさん撮りためて一日目は終了した。

職人に宿る空気はどこからやって来るのか

次の日からは刀職人をはじめ、お寺での座禅、お城から昇る朝日、関名物である鰻などを次々と撮影して回った。日本刀は5人の職人によって分業して作られている。火花を散らす迫力満点の刀匠、木をくり抜いて鞘を作る鞘師など、作業の内容は一人ひとり全く異なるのだが、一点に魂を込め続けた人にしかない独特の空気が溢れ出ているような気がした。また、その仕事場がなんとも味わい深い。この貴重な現場と希少で尊い文化に多くの人が触れ、何らかの形で次世代に継承されていくことを願わずにはいられない。

情報社会における旅行。知と感のバランス

素晴らしい撮影を終えた帰り道、どのような構成・編集をしようかと考えていた。情報網と交通網が張り巡らされた今、旅先は無数にあるし、旅行先について何でも知ることができる。ツアーの宣伝として、情報量とその見せ方は気を使うべきであろう。僕も旅先について事前に調べ尽くした挙げ句、写真に写っているものが実在することを確認するような驚きのない旅をしたことがある。海外の方の心に響くように、適当な情報で伝えたい。そんなことをぼんやりと思いながら帰宅したのは深夜。刀で切られたかのように、バタッとベッドに倒れ込んだ。