BrandLand JAPAN

  • Project Report
  • Feb 25th, 2018

Maison et Objet - 9人のリアルストーリー

バイヤーは、
よい商品のことを必ず憶えている。

BUNACO
ブナコ株式会社 
代表取締役 倉田昌直さん

メゾン・エ・オブジェに出展して、今年で10年目を迎えるBUNACO。青森が誇るブナの木の資源を、どのように有効利用したらいいかと考え生まれたのが、自社のユニークなクラフツマンシップによる木工品の数々。10年という長いスパンでメゾン・エ・オブジェに出展し続ける代表取締役の倉田昌直さんに、これまでの道のりを語ってもらった。

BUNACOのきっかけは、地場産業を通して地域資源の活用を目指したことでした。ブナ資源をいかに有効に使えるかを研究して生まれたプロダクトは、わずか厚さ1ミリのテープ状にカットしたブナ材を、コイルのように巻き、押し出しずらして立体的に形をつくるという独自の手仕事によるものです。このつくりは欧米の人から見ると北欧のプロダクトに見えるようで、スカンジナビア・デザインに共通していることに気づきました。これをきっかけに海外に出て行けると確信しました。

思い起こせば、初めてメゾン・エ・オブジェに出展した10年前から、たくさんの壁を乗り越えてきました。たとえば、ブナコランプは当初、変圧器を併用しないと海外では使用できませんでした。これが理由で、商談が成立しないケースが多かったのです。そこで、フランスの照明会社と業務提携し、問題を解消しました。現在では、そのブナコランプが弊社の主力商品になっています。

10年も出展していると、バイヤーさんの動き方もよくわかってきます。初めて出展してから、2年目、3年目と毎年来てくれるパリのインテリアショップのバイヤーがいたのですが、毎回いくつか質問して名刺を置いていくだけでした。でも、4年目にして初めて買い付けてくれたのです。しかも大口でした。バイヤーはよい商材を見つけてもすぐには買い付けず、時間をかけて、どう開発して商品を磨いてきたかをよく観察していると思います。

数年前、京都の外資系ホテルに全室、ブナコの照明器具を設置させて頂いたのですが、話を聞くと、担当のニューヨークのデザイナーさんが、発注の2年前に開催されたメゾン・エ・オブジェで見て覚えてくれていたそうなんです。この時、商品のクオリティが高ければ、バイヤーさんは憶えてくれているんだなと、つくづく思いました。今年は、アンプ内蔵の無指向性スピーカーを発表しました。優れたデザイン性と独特の形状から生み出されるクリアな音質が魅力です。こんな風に、常に新たな商品をつくり続けていきたいと思っています。

BUNACO
http://www.bunaco.co.jp/

文:粟野真理子

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