株式会社タニハタ
プロジェクトマネージャー 飯塚 真弓
飛鳥時代から続く伝統木工技術、「組子」。釘を使わずに木を組むこの技術は、0.1ミリ寸法が違うだけで組み付けができなくなるほど微細な世界。この組子を使用して現代建築に合った商業施設用の欄間(和風の間仕切り、格子の引き戸)を製作。アジアの祥文様18種を駆使した和風の欄間を、欧州の建築市場に売り込み、新たな需要を開拓していきます。
創業以来、国内の和室に組子建具を納入してきましたが、近年、ウェブサイトを通じて海外からの受注が増加し、全売上の約5%を占めるようになりました。その中で「現物のサンプルをみたい」「メールや電話ではなく直接、打ち合わせがしたい」という欧州顧客の要望が増えています。本プロジェクトにおいて、その声に応えるべくフランス在住のデザイナーと契約。欧州で組子製品の展示販売が可能な拠点を探し、組子ギャラリーを開設することを目的としています。
フランスを中心としたヨーロッパの建築市場に売り込み、新たな需要の開拓を目指した本プロジェクト。組子という建材をギャラリーに設置する前例のないことに挑んだり、建築雑誌への広告の掲載などを行うことで、サイトへのアクセス数が増加するなどの成果を得られました。...続きを読む
伝統木工技術「組子」は、日本の住宅に使用されてきた微細な木工技術です。主に和室の障子や欄間などの部品に使用されてきた技術を、タニハタでは空港やホテル、駅などの大空間の商業施設にも使用できるよう強度・耐久性を高め、「商業施設用組子欄間」としてブランドを確立しました。
千葉大学建築学科、パリ・マラケ国立高等建築大学院を卒業。HMONP(仏一級建築士資格相当)・一級建築士を取得し、現在はパリの建築大学校で教える傍ら、個人建築設計活動を行っている。癒しの空間づくりを自身のテーマとし、建築デザインコンペ等でも発表。(建築環境デザインコンペティション 、d3 Housing Tomorrow competition、European Healthcare Design Awardsなど)